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アレ・ブレ・ボケってそんなに大事なことなんですか?

アレ・ブレ・ボケは、それぞれ「アレた」「ブレた」「ボケた」写真という意味です。

​写真の表層的な特徴を捉えた言葉に思えるかもしれませんが、写真の一時代を表現する重要な写真用語です。

<アレ・ブレ・ボケは、外せない?>

今でも現役で写真を撮っている人を挙げると、森山大道氏ではないでしょうか。すでに他界している写真家でいえば、中平卓馬氏もいます。60年代後半に創刊された「プロヴォーグ」という雑誌の中で、彼らの写真を見ることができます。

なぜ、アレ・ブレ・ボケという言葉が1つの時代を表す写真用語になっているのかというと、アレていて、ブレていて、ボケている写真を「作品」として発表することが、珍しく、センセーショナルだったからです。

・階調がなければ写真じゃない時代

実はかつて、「写真は階調がなければいけない」というセオリーがありました。ピントも合っていないといけないし、写実的でなければいけない。そんな風潮です。

しかし、それをぶち壊したのが「アレ・ブレ・ボケ」です。

クリアな写りの写真がベストと言われる時代に、アレアレで、ブレブレで、ボケボケの写真…。”反写真的”切り捨てられて当然の時代に、森山大道らはあえて「アレ・ブレ・ボケ」で勝負しました。

当時、これはとてもセンセーショナルな出来事でした。高度経済成長の時代と照らし合わせると、当時は「技術の最先端だけが素晴らしい」と思われていた時代だったと言ってもいいでしょう。

その時代に、あえて後退的な表現をしたり、暴力的でアバンギャルドな雰囲気の写真は、かなりの衝撃を残しました。

・絵画と似た歴史をたどる写真

絵画の歴史を思い出してみましょう。すっごく省略して説明すると、

  1. リアルに描く時代

  2. 雰囲気を重要視して描く時代

  3. 独自の発想で描く時代

にざっくり分けられると思います。

実は写真も、絵画と同じような系譜をたどっているのです。

 

とにかく写す”ことが求められた時代から始まりますが、これは一方で、写真は簡単には写らなかった時代があったことを示します。

そして、三脚がなければ撮れなかった写真が手持ちカメラでも撮れるように…。

スナップなど、より自由な表現ができるようになりました。そして現代では、アート分野でかなり独創的な写真を見ることができます。

このような写真の歴史の過程にあったのが、「アレ・ブレ・ボケ」です。

​・ウィリアム・クラインの影響も

森山大道らの話によると、アメリカで活躍した写真家ウィリアム・クラインの影響から、この表現に至ったとのこと。ウィリアム・クラインは50年代に活躍した写真家で、日本でも撮影している写真家です。

森山大道らの写真を見る前に、ウィリアム・クラインから歴史をたどってみるのもいいかもしれませんね。